谷川俊太郎編 大岡信詩集「丘のうなじ」
谷川俊太郎が編集した大岡信の詩集「丘のうなじ」が童話屋から出版されました。
大岡信の長年の親友、ともに詩人の谷川俊太郎が編集した大岡信の詩は、全く新しい光に照らされていて、これまでとは違った別の魅力に溢れています。また、あとがきにかえて、大岡信が四十年前に書いた「初秋午前五時白い器の前にたたずみ/谷川俊太郎を思つてうたふ述懐の唄」に対する返歌ならぬ返詩「微醺をおびて」が掲げられています。その詩は二人の友情の深さ尊さを表してあまりありますが、同時にきわめて普遍的で、全ての人ー特にこれまで生きた時間よりこれからの時間が確実に短い人々ーに、深い共感を呼び起こすでしょう。
安野光雅の美しい装丁のこの本「丘のうなじ」を是非、手にとってみて下さい。
(越智淳子)