2023年1月第二十五回大岡信研究会で講演された吉増剛造氏の展覧会が足利市のartsspace & cafe(代表:岩本圭司、造形家)が5月27日(土)から6月18日(日)まで開催されています。そこでは、第二十五回大岡信研究会での講演後、その内容をさらに12分の映像にまとめた映像作品、また、講演で使用した生原稿も展示されています。ふるってお出かけください。詳細は http://artspace-and-cafe.com をご覧ください。
ズームと会場による第二十六回大岡信研究会のお知らせ(終了しました)
大岡信は国際派の詩人だっただけでなく、広く科学技術文明と言語芸術の関係について思索する論客でもあった。講演者は、若い頃からその薫陶をうけ、コンピュータ研究者から文理融合の情報学者になったのである。本講演ではまず、大岡信をめぐる個人的な想い出やエピソードをのべる。さらにそれらを踏まえ、現在のAI(人工知能)とくに最近注目を集めているチャットGPTなどの生成型AIと、言語芸術との関連についてふれる。はたしてコンピュータは詩をつくれるのだろうか。(西垣 通)
日時:2023年5月28日(日)14:00~15:30
開場受付:13:30~
形態:ズームおよび会場
会場:代山ヒルサイドテラス(アネックスB棟2F クラブヒルサイドサロン)
講師:西垣 通(情報学者、東大名誉教授)
演題: 「データと言葉のあいだ」
会費:会員(無料)。会員以外の方は1000円を会場参加の場合は会場でお支払いください。ズーム参加の場合は当日視聴が実現した上で、当日以降6月2日までに郵便振替口座00150-8-450238にお振込みください。
〇参加の申し込みは、会場参加の申し込みはこちらから
ズーム参加の申し込みこちらからをクリックして2023年5月25日までにお申し込みください。なお、会場参加は、コロナ状況を鑑み20名に制限していますので、お早めにお申し込みください。
〇申し込みの方には、自動返信で受付完了のお知らせと、会場申し込みの方には会場住所、ズーム申し込みの方には、当日使用のズームのURLが送付されますので、ご確認ください。
講師略歴:西垣 通(にしがき とおる)氏
1948年、詩人西垣脩の長男として東京に生まれる。東京大学工学部卒、工学博士。日立製作所研究員、明治大学教授、東京大学社会科学研究所教授、東京大学大学院情報学環教授、東京経済大学教授を歴任。情報社会のはらむ諸問題を、文理にわたり幅広く考察している。近著として、『超デジタル世界』(岩波新書)、『新 基礎情報学』(NTT出版)、『AI原論』(講談社選書メチエ)など。『デジタル・ナルシス』(岩波書店)でサントリー学芸賞(芸術・文学部門、1991年)。
毎日新聞に「大岡信研究会」1月例会の記事が掲載されました
大岡信研究会1月例会について、『大岡信 架橋する詩人』(岩波新書)の著者である大井浩一さんの記事が、「核心にある「放心」の発見語る 吉増剛造さん講演」のタイトルで、毎日新聞2月6日の夕刊に掲載されました。
「初めに吉増さんは、4日前に86歳で死去した同世代の詩人、天沢退二郎さんによる「大岡信の口はいつもおおおと言おうととしてまるく開かれ」といった詩のような言葉で書かれた大岡評を紹介、若いころ「大岡さんに天沢が全身で反応することに、私たちは何か信号を見ていたかもしれない」と鎮魂をこめて話した」
(中略、以下、記事後半より引用)
「評論『うたげと孤心』(79年)で大岡が「うたげ」という言葉について「『掌ヲ打上(うちあげ)』の約」だという明治期の国語辞典の説を挙げていることに触れた。吉増さんは中原中也の詩「悲しき朝」の一行「われかにかくに手を拍(たた)く……」を連想したと述べ、大岡の「中原中也論」から、まさにこの一行を論じた部分を引用した。
「中原中也はこの一句によって(中略)一語一語の中における存在を、放心という一現象の中に拡散させてしまう」という一節で、吉増さんは「大岡さんの全活動の核心近くには、この放心がある」との発見を語った。「うたげと孤心に放心を足すことで、大岡さんのビジョンはさらに創造的な波動を加える」と強調した。用意した原稿をもとに、新たに言葉を探りながらの話は聴衆の感動を呼んだ」
生の声で取材できたことに大井さんも満足されているようでした。
吉増剛造著『我が詩的自伝』、『詩とは何か』いずれも 講談社現代新書の制作に関わられた林浩平さんも会場参加されて、刺激的な例会となりました。
(西川敏晴記)
第25回大岡信研究会一月例会(講師:吉増剛造さん)の報告
詩人の吉増剛造さんは、1月29日の例会のための大岡信論を快く引き受けてくださり、そのために、年末からずっと大岡信の著作や詩、その周辺の詩人たちの作品にどっぷりと身を浸して準備をされました。講演が近づく1月20日から、吉増さんは大岡論をA3の紙に筆記を開始。実際に書きながら大岡信の魂と共鳴しようと、つぶやくような文章が綴られていきました。
当日、差し出されたテキストは、赤、黒、黄色の色彩あふれる、手書き文字ぎっしりの2枚の「大岡信論」。会場参加の方々にはカラーコピーで配布、ズーム参加の方には添付にて配信されました。吉増さんの原稿であり、原稿そのものが作品でもあります。ペンの色を変えて使うのは、筆記用具のタッチや色で感覚が刺激されるからだそうです。
大岡さんへのアプローチは、『折々のうた』や『肉眼の思想』、『うたげと孤心』や『菅原道真』さらに『悲歌と祝禱』、『詩人の設計図』……などの文章や詩に触れながら、閃くような言葉で語りつづけ、引用部分(活字のコピーが張り込んである)からは、新たな関心と分析が留処なく続きます。文中には日記のように日付が打たれ、講演当日の吉増さんは、その原稿を拡大鏡で覗き込むようにして、朗読されました。
詩人の文章が全体の4分の3を通過するところで、大岡信の「中原中也論」に差し掛かり、吉増さんは「放心」というキーワードに大きく反応、ついに大岡信と共鳴する。そこから加速度がついて大岡信論は、一気に着地に向かいました。
2023年2月に84歳となる詩人のエネルギーに圧倒されながら、その声に耳を傾けると、手書きのカラー原稿も斬新な大岡信論のことばも、まるで長編詩のように感じられて来るのでした。
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第25回大岡信研究会は、久しぶりにズームと会場参加の両立という試みで行いました。吉増さんの講演は、原稿作品を朗読する形で、会場参加者には、その熱量がたっぷり伝わる感動的な講演となりました。しかし、同作品を画面に映し出す方法をとったズームでは、朗読を画面上で追うのは、必ずしも容易でなかったことは否めません。今後、ズームと会場の両立を継続していく上で、さら技術的な改良を加え、より良い聴取環境を作っていこうと考えています。(西川敏晴記)
お知らせ:ズームと会場による第二十五回大岡信研究会(終了しました)
2023年度最初の第二十五回大岡信研究会を、詩人の吉増剛造氏をお迎えして下記の通り行います。
今回は、ズームと会場の並立で実施する初めて試みです。どちらか、ご都合の良い方法を選ばれて、ふるってご参加ください。
会場の定員は、コロナ状況を勘案し、20名に制限していますので、会場へのご参加希望の方は早めの申し込みをお勧めします。
日時:2023年1月29日(日)14:00~15:30
受付:会場:13:30~
ズーム:13:30~(ズームは13:30以前は受け付けられませんので、13:30以降にご入場ください。)
形態:ズームあるいは会場
講師:吉増剛造(詩人)
演題:「大岡信氏の肉声の泉について」
会場:(代官山)ヒルサイドテラス アネックスB棟2F クラブヒルサイドサロン内
会費:会員(無料)。会員以外の方は1000円を会場参加の場合は会場でお支払いください。ズーム参加の場合は当日視聴が実現した上で、2月6日までに郵便振替口座00150-8-450238にお振込みください。
〇参加の申し込み
会場参加の申し込みはこちらから
ズーム参加の申し込みこちらから
をクリックして2023年1月28日までにお申し込みください。
〇申し込みの方には、自動返信で受付完了のお知らせと、会場申し込みの方には会場住所、ズーム申し込みの方には、当日使用のズームのURLが送付されますので、ご確認ください。
講師紹介:吉増剛造(よします ごうぞう)・詩人
1939年東京生まれ。慶応義塾大学時代に「三田詩人」に参加。最初の詩集は『出発』(新芸術者)。その後『黄金詩篇』(思潮社1970)で第1回高見順賞受賞、『頭脳の塔』(青地者1971)、『王國』(河出書房新社1973)など。詩の朗読パフォーマンス、写真、映像、他の作家とのコラボレーションなどジャンルを超えた「全身詩人」の活動を展開。詩集『「雪の島」あるいは「エミリーの島」』(集英社1998)が芸術奨励文部大臣賞、『表紙 omotegami』(思潮社2008)が毎日芸術賞受賞、『怪物君』(みすず書房2016)、『Voix』(思潮社2021)など詩集は20冊以上。2016年6月に写真作品などの吉増剛造展が東京国立近代美術館で開催。2022年12月には、盟友の詩人故ジョナス・メカスの追悼にニューヨークを訪れた吉増と詩の誕生を追ったドキュメンタリー『眩暈』が写真美術館で公開され、2023年1月よりK2(下北沢)で上映される。
お知らせ:2022年度会誌『大岡信研究 第八号』発行
会誌「大岡信研究」第八号
大岡信研究会は、2022年度会誌「大岡信研究」第八号を2022年12月20日に刊行しました。
第八号は、第二十二回(大井浩一氏)、第二十三回(金田一秀穂氏)、第二十四回(高橋明也氏)の本年のオンライン研究会の講演内容と元パリ日本文化会館首席司書の森村悦子さんが選んだ大岡信の詩「春のために」に寄せた「女神とエリュアール そして、巴里」を掲載しています。また、「大岡信が愛した歌仙を詠み継ぐ」として、深瀬サキ氏、三浦雅士氏、長谷川櫂氏(捌き)による歌仙「山暮らしの巻」を掲載しています。
大岡信研究 2022 第八号 目次
コロナ禍とウクライナ侵攻下での二〇二二年の活動報告・・・・西川敏晴
大岡信の詩 春のために・・・・・・・・・大岡信
女神とエリュアール そして、巴里・・・・森村悦子
大岡信研究会
第二十二回 コロナ下で読む大岡信・・・・大井浩一
第二十三回 響きあう言葉・・・・・・・・金田一秀穂
第二十四回 『眼・ことば・ヨーロッパ』の旅と幻の山村コレクション・・高橋明也
富士歌仙
第一巻 山暮らしの巻
連載 大岡信の「ノート」と「手帖」⑧
大岡信研究会の会員の皆様へは既に発送しています。まだお手元に届いていない場合は、メニュの「お問い合わせ」からご連絡ください。
第八号をご購入希望の方は、右欄のメニュの「お問い合わせ」から発送宛先を明記してご連絡下さい。(頒価1部1000円)
なお、2023年度(2023年1月1日~12月31日)の会員に新規で申し込まれた方には、第八号を無料でお送りします。
この機会に是非、新規会員にお申込み下さい。
会員申し込みの詳細は、メニュの「入会の案内」をご覧下さい。
お知らせ:「グランシップ しずおか連詩の会」11月6日に開催
大岡信が始めた「グランシップ しずおか連詩の会」は、今年で23回目を迎えます。大岡信を引き継いだ詩人の野村喜和夫氏に、今回は、作家の堀江敏幸氏、詩人の田中庸介氏、歌人の木下龍也氏、詩人の暁方ミセイ氏が参加されます。連詩の制作は11月3日からはじまり、その発表会が11月6日(日)14:00(13:30開場)から、グランシップ(JR東静岡駅南口隣接)で開催されます。ふるってご参加ください。内容の詳細と参加申し込みについては、下記のアドレスからご覧ください。
https://www.granship.or.jp/visitors/event/detail.php?id=2842
お知らせ:新規入会および会員継続のご案内
大岡信研究会では2023年(会期は2023年1月1日~12月31日)の会員を募集しています。
会員には、一般会員、学生会員、賛助会員があります。
会員は、①年3回開催される大岡信研究会への参加費が無料になります。②毎年末に発行される会誌「大岡信研究」が無料で郵送されます。③会員は、会誌に寄稿できます。但し、寄稿の採否は編集部が決定します。
学生会員は、30歳以下の学生とし、課程、学年を問わず30歳以下であれば学生の資格になります。
各会員の年会費は以下のとおりです。
年会費:一般5000円、学生2000円、賛助会員一口10000円(一口以上)
会員の申し込みには、郵便振込用紙に、会員の種類、氏名、住所、電話番号、Eメールアドレス(お持ちの方)、また学生会員で申し込まれる方は生年月日および大学名・学科を明記して、会費を下記の郵便口座にお振込み下さい。
郵便振替口座:00150-8-450238 大岡信研究会
2023年度会員に新規にお申し込みの方には、2022年の会誌「大岡信研究」(2022年12月中旬発行)1冊を無料で差し上げます。
年の途中での入会も会費は同じです。会員名簿は事務局で厳正に管理します。会員証等は発行しません。
2023年度に継続される会員は、2022年12月20日までに2023年度会費を下記の口座にお振込み、継続の手続きをおとり下さい。ご支援のご継続、真にありがとうございます。
郵便振替口座:00150-8-450238 大岡信研究会
ズームによる第二十四回大岡信研究会のご案内(終了しました)
1963年10月、大岡信は10年間勤めた読売新聞外報部を辞して半年後「パリ青年ビエンナーレ」の詩部門に参加するためパリに赴く。この時、詩人の清新な眼に映った60年代のパリとアーティストたちは、帰国後『眼・ことば・ヨーロッパ』(美術出版社 1965年)に詳述された。大岡信が見た、感じた、交流した旅の記録は、今もなお、生き生きと我々に多くを語り掛ける。この旅はまた、現代美術収集家として著名な山村徳太郎(日本山村硝子社長)氏に同行し、作品収集に大岡信が助言する目的もあった。大岡初の海外旅行であるパリを中心とした旅と後に西洋美術館へ寄贈された山村コレクションについて語りたい。(高橋明也)
日時:2022年9月25日(日)14:00~15:30
開場受付:当日13:30からご入場ください。
形態:ズームによる視聴
講師:高橋明也(東京都美術館館長)
演題:「大岡信と山村コレクション」
会費:会員(無料)。会員以外の方は1000円を、当日視聴が実現した上で、当日以降10月10日までに「大岡信研究会」郵便振替口座00150-8-450238にお振込みください。
〇参加の申し込みは、こちらからこちらからt;/ をクリックして2022年9月21日までにお申し込みください。
〇参加申し込みの方には、9月23日に25日当日に使用するズームのアドレスをメールにて送信します。
〇希望者にはズームの事前運用テストを9月17日(土)20:00~20:30に行います。ご希望の方は、氏名、電話番号を明記の上、ホームページの「お問い合わせ」から9月15日までにお申し込みください。テストへの参加は研究会に参加申し込みをされた方に限られます。
講師紹介:1953年東京生まれ。1980年東京芸術大学大学院修士課程修了後、国立西洋美術館研究員、同館学芸課長を経て2006年~2020年三菱一号館美術館初代館長。2021年より現在、東京都美術館館長。1984~86年に文部省在外研究員としてオルセー美術館開館準備室に在籍。2010年にフランス芸術文化勲章シュヴァリエ受章。長年に渡り、数多くの企画展覧会を手掛ける。著書に『ドラクロワ 色彩の饗宴』(二玄社)、『ゴーガン―野生の幻影を追い求めた画家の魂』(六耀社)、『もっと知りたいマネ』(東京美術)、『美術館の舞台裏―魅せる展覧会を作るには』(筑摩書房)、『新生オルセー美術館』(新潮社)他、多数。
お知らせ:ズームによる第二十三回大岡信研究会のご案内(終了しました)
大岡信が現代語訳した藤原俊成の「とこしへの秋のうた」は、「折々のうた」に先行した試みだった。翻詩は、批評であり、鑑賞であり、創作でもある。時間を越えたある種のあいさつである。「合う」をキーとして、言葉の持つ限界を超えていったのではないか。まだ思いつきの域ですが、これらをヒントに大岡信さんの創作や仕事と絡めてお話したいと考えています。(金田一秀穂)
日時:2022年5月29日(日)14:00~15:30
開場受付:当日13:30からご入場ください。
形態:ズームによる視聴
講師:金田一秀穂(言語学者、杏林大学教授)
演題:「響きあう言葉」
会費:会員(無料)。会員以外の方は1000円を、当日視聴が実現した上で、当日以降6月10日までに郵便振替口座00150-8-450238にお振込みください。
〇参加の申し込みは、こちらからt;/ をクリックして2022年5月25日までにお申し込みください。
〇参加申し込みの方には、5月26日に29日当日に使用するズームのアドレスをメールにて送信します。
〇ズームの事前運用テストをご希望の方は、5月21日(土)20:00~20:30または5月22日(日)14:00~14:30から希望日時、氏名、電話番号(各必須)を明記の上、ホームページの「お問い合わせ」から5月19日までにお申し込みください。テストは研究会に参加を申し込まれた方に限られます。
講師紹介:1953年東京都生まれ。祖父に金田一京助(言語学者)、父に金田一春彦(国語学者)を持つ、日本語研究の第一人者。1994年ハーバード大学客員研究員を経て、現在は杏林大学外国語学部教授。インドネシア・ミャンマー・ベトナムなど、海外での日本語教育経験も豊富。分かりやすく、かつ楽しく日本語を語る姿はメディアでもおなじみ。大岡信との共著『日本人を元気にするホンモノの日本語 言葉の力を取り戻す』(ベスト新書)など、多くの著作がある。