第六回大岡信研究会のお知らせ(終了しました)
詩篇「告知」をめぐって──大岡信における想像力と批評
大岡信さんの詩において想像力と批評とがもっともスリリングに絡みあうのは、詩篇「告知」をめぐってではないでしょうか。大岡さんはまず、詩篇「わが夜のいきものたち」を発表し(1966)、ついでその制作の経緯をエッセイ「言葉の出現」に書き(1968)、最後に、「わが夜のいきものたち」のもとになった記録を詩篇「告知」と題して詩集『透視図法──夏のための』に収録しました(1972)。なにが起こっているのでしょう。それはたんに、決定稿→自作解説→記録という発表順序のあべこべ現象を示しているにすぎないのでしょうか。ちがうと私は考えます。そこには、大岡さんのなかで詩人と批評家がいわば「ひとりコラボ」しているエクリチュールの劇が展開されているのではないか。そしてその劇は、エッセイ「言葉の出現」と同年に刊行された入沢康夫さんの『わが出雲 わが鎮魂』とともに、戦後現代詩の冒険のハイライトをなすものではないかと。(野村喜和夫)
日時:2016年5月29日(日) 14:00~15:30 (開場13:30)
会場:明治大学リバティタワー 研究棟2階第9会議室 *
講師:野村喜和夫(詩人)
題名:詩篇「告知」をめぐって──大岡信における想像力と批評
参加費:会員500円、会員外1000円
当日受付にてお支払い下さい。
*リバティタワー正面口からエレベーターまたはエスカレーターで3階へ。右手奥の渡り廊下を渡って研究棟へ。タワーの3階は研究棟の4階になりますので、エレベーターで2階へ。右手の会議室番号案内に従って進み、奥に第9会議室があります。
参加申し込みは、葉書に「第六回研究会参加申し込み」とご記入の上、住所、氏名、連絡先とお持ちの方はメールアドレスを明記して、大岡信研究会事務局(101-0064東京都千代田区猿楽町2-1-16下平ビル402)までご郵送下さい。電話03-3291-6569
Eメールで申し込まれる場合は、こちらから
講師紹介:野村喜和夫(のむら・きわお)
1951年10月20日埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部日本文学科卒業。戦後世代を代表する詩人のひとりとして現代詩の先端を走りつづけるとともに、小説・批評・翻訳なども手がける。著訳書多数。詩集『特性のない陽のもとに』(思潮社、1993)で第4回歴程新鋭賞、『風の配分』(水声社、1999)で第30回高見順賞、『ニューインスピレーション』(書肆山田、2003)で第21回現代詩花椿賞、評論『移動と律動と眩暈と』(書肆山田、2011)および『萩原朔太郎』(中央公論新社、2011)で第3回鮎川信夫賞、『ヌードな日』(思潮社、2011)および『難解な自転車』(書肆山田、2012)で第50回藤村記念歴程賞、英訳選詩集『Spectacle & Pigsty』(Omnidawn、2011)で2012 Best Translated Book Award in Poetry (USA)受賞。