第1回「大岡信の詩を読んで語る会」(2026年1月21日)報告
プレゼンターは研究会会長の西川敏晴、選んだ大岡信の詩は「地名論」。朗読にふさわしいリズミカルで、大きな空間移動を感じさせる、聞いていて心地よい作品だ。一気に朗読した後、この詩の背景と魅力を解説した。2016年第五回大岡信研究会で講演された元「現代詩手帖」の編集者だった八木忠栄さんによれば「詩を依頼したが、大学の入試問題制作と重なり、締め切りを一週間過ぎても出来ず」、追い詰められた大岡は、夜中の3時に水道管をひねって水を飲んだ瞬間、流れる水に憑依して、流れ出し、地名を旅して、水の星をめぐる詩が完成した。「土地の名前はたぶん光でできている」が、この詩のキーワード。
プレゼンテーション後、参加者が、自らの解釈を披露し感想を述べ合った。たいへん刺激を受けた。とくに、最終行の「東京は いつも 曇り」の解釈をめぐるさまざまな発言が印象に残った。同時に、「地名論」という詩の広がりと深い表現を改めて感じることが出来た。
参加者は約30人。現代詩を朗読し、聞き、語り合うイベントは、楽しく生き生きした雰囲気で終了した。追記:「地名論」は水の詩人、大岡のめくるめく水の旅が描かれるが、1967年の東京の河川は公害で汚染され、悪臭が漂っていたことをふと思い出した。(西川敏晴 記)
